神奈川県立瀬谷西高等学校
更新日:2022.12.16
「食品ロスプロジェクト」について
今回は、昭和53年創立の神奈川県立瀬谷西高等学校の取り組みについて、担当の田中清志郎先生と、取り組みに参加している山本朝陽さんと鳴海富季さんの3年生お二人にお話しを伺いました。
瀬谷西高校では、令和3年度から総合的な探究の時間において、年間を通してローカルSDGsに関する探究学習「SEYANISHI SDGs Project」に取り組んでいます。全体を16のグループに分け、学びの成果をレガシーとして地域に継承することを目指して活動してきました。現在、地域や企業などの協力のもと、多くの関係者を巻き込みながら取り組みが多方面へと発展しています。「食品ロスプロジェクト」は「SEYANISHI SDGs Project」の一つの取り組みです。
瀬谷西高校は、再編統合により完校が決まり、さらに入学式と同時にコロナによる緊急事態宣言も発令され、生徒の高校生活にも大きな制限がありました。そんな中、このコロナ禍であっても可能な限り生徒の自己肯定感を高めて卒業させたいという学校長を始めとする教職員の想いがあり、今回の「SEYANISHI SDGs Project」が始まったとのことです。
約20人の食品ロスプロジェクトは、A:規格外の食材を使って料理をつくってみるという取り組み、B:校内でのポスター掲示等による生徒への啓発、C:校内や店舗等での専用ボックスの設置によるフードドライブの実施、という3つのグループにわかれて活動を行いました。
活動をはじめて、生徒たちへのアンケートをとってみると、多くの生徒達が食品ロス削減の重要性に気づいたことが目に見える形でわかったそうです。お店で買い物をするときに「てまえどり」をしたり、食べられる分だけ買う、見切り品を買う、など、食品ロスに対する意識も高まりました。また、他にも様々な経験を通して「瀬谷西高校だからできた!」と語る生徒も現れ、自発性や自己肯定感の高まりを感じることもできたそうです。
こうした取り組みが評価されて、瀬谷西高校の食品ロスプロジェクトは、令和4年度の「食品ロス削減推進表彰」を受賞しました。
山本さんと鳴海さんは、今回の経験を今後の活動に活かしていきたい、と話していました。また、田中先生は、今回の活動の中で生徒たちは多くのことを学び養ってきた、いま世界ではどんなことが問題になっているのか、それに対して私たちができることは何なのか。この活動の中で培ってきた知識や自発性をもって、生徒それぞれが持続可能な社会に向けての活動を続けてくれるだろうと教員一同信じています、と語っていました。