横浜農業協同組合(JA横浜)
更新日:2026.03.09
廃棄トマトを活用した「トマトカルトン」

JA横浜は、今般横浜市内の担い手農家から無償提供を受けた廃棄トマトを活用し、オリジナルのカルトン「トマトカルトン」の製作・導入を開始しました。トマト由来素材の含有率は40%で、既製カルトンと比べてプラスチック使用量を約40%削減しています。1個あたり生の廃棄トマトを約3.7kg使用し、乾燥・粉砕後は約120gのトマト素材として配合されています。無着色・無塗装で製造され、表面はざらついた質感、色は茶色、ほのかに甘く香ばしい香りがするのが特徴です。
製造個数は240個で、一部支店(金融・共済事業など)と直営の「ハマッ子」直売所でも使用されています。素材の集荷はJAの営農インストラクターが担い、計907kgの廃棄トマトを集め、加工・製造はかながわSDGsパートナー企業の株式会社MURONEが水洗い、腐食部のカット、乾燥・粉砕を経て成形まで担当しています。

今回の取組は、「JAにしかできないSDGsの実践」を具体化するというDX戦略室の企画意図が出発点でした。JA横浜にはそもそも、落果や未熟果など食用利用が難しい廃棄農産物を活かし、廃棄ロス削減と脱プラスチックを同時に達成したいという課題認識がありました。さらに、かながわSDGsパートナーのマッチング支援によって、加工技術を持つ株式会社MURONEとの共同開発体制が整い、地域発の循環型ものづくりを実現できる見通しが立ったことが、具体化の決め手になっています。
担当者は今回の取組をはじめて良かったこととして、『まず環境面では、未利用資源である廃棄トマトを素材化することで、プラスチック使用量を約40%削減できたという実績が明確です。これは資源循環の観点からメッセージ性が強く、来店者にも分かりやすい形でSDGsを体験してもらえる点が価値になっています』。と話します。
担当者はさらに、『地域・農業振興の面では、横浜産農畜産物への関心の向上や、支店・直売所への来店喚起につながる効果が期待されます。担い手農家にとっても、廃棄トマトの受け皿が生まれることでJAとの協働関係が強化され、地域内で資源と価値が循環する仕組みづくりに寄与しています。組織・ブランド面では、「JAらしいSDGs製品」として独自性が高く、触覚・視覚・嗅覚で素材の魅力を感じられるプロダクトであることが、コミュニケーションのきっかけを自然に生み、話題性や発信力の向上に貢献しています。』と話します。
担当者は今後取り組んでいきたいこととして、『JA横浜は、横浜市が神奈川県内で最も農地が多いという地域特性を最大限に活かし、アップサイクルの取組みを継続的に強化していきます。規格外などで出荷できず、活用しきれていない農産物に新たな価値を与え、地域内で循環させることで、資源の有効活用と環境負荷の低減、そして農業の持続可能性を両立させることを目指します。具体的には、規格外野菜をはじめ、休耕地を活用して生産されたメロン、ブランド梨「浜なし」の規格外品などを対象に、用途開発と加工の仕組みを整えていきます。積極的な発信を通じて、地域のみなさまに「捨てずに活かす」価値を触れて体感いただける機会を増やしていきます。これにより、フードロス削減と地域ブランドの理解促進、来店動機の醸成、担い手農家の支援を同時に進めてまいります。』と締めくくりました。